101号心優しきチンピラ

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こんな風に俺の1日は終わる。 今朝も誰一人挨拶は 返してくれなかったし、 普通の顔してたのに 小さなガキには泣かれるし、 OLらしき美人に怯えた様子で 後ずさりもされた。 仕事も見つからなかったし、 ガキを助けても交番の警官は 俺を誘拐犯と勘違いしやがった。 でもいつも妙に清々しいんだ。 今日みたいに誰かの 役に立てたときは。 学生の頃、社会のごみなんて 教師に言われた俺にだって、 泣きながら感謝してくれる人が ちゃんといる。 あの迷子のガキと 母親みたいに。 人助けってなかなか いいもんだと俺は想ってる。 俺は、ね。 .
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