第1章
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男はいきなりニカッと笑って 「おれ、潤。中野潤っていうの。 そっちは?」 一瞬、あたしはその笑顔に魅了されて動けなかった。 「あた、しは………… …沙奈。吉田沙奈。」 「へえ、沙奈ってゆーの! かわいい名前じゃん」 そう言って、男…潤はまたニカッと笑った。 「なんでこんなとこいたの?」 「……家、帰りたくないから。」 「へえ、家出?」 「ちがう。なんとなく、あの家が嫌いなだけ…」
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