桃太郎

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「なんじゃあこのガキは?」 桃の中にいた赤ん坊は泡を吹いて気絶してます 「食うか?このガキも」 食人鬼に目覚めようとしているおばあさんの声で、赤ん坊は目を覚ました 「殺す気か!このくそジジイ共が!」 おじいさんはその言葉を聞いて額(ヒタイ)に青筋を立てました 「誰がくそジジイだ?あ、コラ」 おじいさんは日本刀を赤ん坊の首に当てながら、脅迫(キョウハク)気味に言いました 「ごめんなさい、お爺様」 「わかりゃあ良いのさ」 おじいさんは日本刀を鞘(サヤ)に戻しながら言いました 「で、貴様は誰じゃ、何で赤子なのにしゃべれる?」 赤ん坊は自分が入っていた桃を食べて「俺の味!」とふざけたことを言っています 「おい、ガキコラ、聞けや」 おばあさんがヤンキー口調で言いました 「あ、誰だこのババア」 おばあさんは額に青筋を立てました 「誰がババアじゃガキが!」 おばあさんは機関銃を乱射しました 「ギャァァァァァァァ!」 機関銃の弾丸がきれて 「ごめんなさい、ごめんなさいお婆様」 「わかりゃあ良いのさ、わかりゃあ」 おじいさんと同じような事を言いました 「婆さん、危ないじゃろうが、わしに当たったらどうすんじゃ」 おじいさんは盾で自分を守っていました 「もう一度聞こう、貴様は誰じゃ」 「ジョニーだぜ!」 おじいさんは日本刀を、おばあさんはハンドガンを構えて 「なめんな」 同時に同じ事を言いました 「ごめんなさい、調子乗りました。名前はまだありません」 赤ん坊は土下座をしながら言いました 「名前がねぇだぁ?」 「はい、何せ産まれたばかりなので」 おじいさんとおばあさんは溜め息をついて 「しゃあないのう、わしが考えた名前で良いならつけてやろう」 「ありがとうございます」 赤ん坊はおじいさんにお礼を言いました 「お前の名前は、桃から産まれたから 単細胞生物、略して単生」 「え?桃関係無くね?」 「お前がわしが考えた名前で良いっていったじゃろ?」 「だからって単細胞生物なんて」 おじいさんは赤ん坊に日本刀を突き立て 「文句は?」 笑顔で聞きました 「...ありません」 こうしてめでたく、赤ん坊は単細胞生物と名付けられました 「めでたくねぇ!」
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