桃太郎

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田中がおじいさんとおばあさんの家を旅立ってから一時間 「何か疲れてきたな どっかで休むか」 そう思いながら歩いていると 「ん、犬が死んでる」 道端に犬が倒れていました 「死んでません」 犬は立ち上がりました 「うお、生きてた」 「あなたは誰ですか」 犬は丁寧な言葉使いで田中に聞きました 「俺?田中桃太郎」 「田中さん? あの、私、お腹が空いてて、何か食べ物を分けてくれませんか?」 犬は結構切羽詰まった感じで言いました 「無いことは無いけど、これ大丈夫か?」 田中はおばあさんにもらった鬼媚断互を見ながら言いました すると 「あー腹減った」 鶏が歩いていました 「試しにあいつに食わせるか おい、そこの鶏」 「あん、誰だ?」 鶏は田中達の方に来ました 「腹減ってんならこれ食うか?」 田中は鬼媚断互を鶏にあげました 「まじ、いいの? サンキュー」 鶏は鬼媚断互を食べました と、次の瞬間 「うぐぁ」 鶏は死にました 「・・・えっ、何、やっぱこういうふうに使うの」 「田中さん、それ、何ですか。と言うか何で出来てるんですか」 「さぁ、俺も分からん」 鶏の死体を見て田中は 「これ食う?」 犬にききました 「え、これをですか?」 「だってこれ一番ましな食料だぜ」 そう言いながら田中は、鶏をさばいていました 「まぁ確かに、じゃあ、いただきます」 「おう、俺生きてる内にリアルな食物連鎖が見られるとは思ってなかったよ」 鶏を調理して、リアルな食物連鎖をした二人(?)は 「さて、食う物食ったし行くか」 「あの、どちらに行かれるんですか」 「鬼がいるとこに」 「なら、私も行きます。行かせてください。お礼がしたいんです」 犬は田中に言いました 「マジで?いいの?死ぬかもよ?」 「分かってます、それでもお礼がしたいんです」 田中は 「分かったよ、じゃあ頼むわ」 「はい、よろしくお願いします 私、狼(オオカミ)のカミっていいます」 「えっ、狼?犬じゃなくて?」 「はい、狼です」 「あぁ、狼ね じゃあ、よろしく頼むわ」 犬ではなく狼のカミを連れて田中はさらに歩いていきました
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