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12:30
京に近付いたせいもあってか、風変わりした店も沢山出ている。
……あの壺は一体何に使う物なんだろう
「珍しい物が溢れてるね…何も買わなくて良いのかい?」
「京に着く前に銭を遣う事もなかろう。祭では思う存分、散財させてもらおうぞ」
そう言って秀吉は薄く笑んだ。
僕は緩む頬を元に戻そうと必死だった。
「さて、そろそろ何処かに入るか?」
「丁度昼時だし、祭の話も聞けるかもしれないね。そうしよう」
12:40
先程の二の舞(顔見知りに遭遇)は避けたいから、なるべく質素な店を探すことにした。
と言っても僕達には馬がいるし、目立たない且つ馬を留めておける店も中々無い。
そういう理由で暫く歩きながら、入る店を検討している時だった。
「…何だろう、あの人だかりは」
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