降り掛る災難編

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随分と人が集まり路を塞いでしまっていた。 それの核は路の中心にあるらしく、とてもじゃないが通れる様子はない。 …なんとなく嫌な予感がする。 「行く手を見事に阻まれたな」 「……回り道をした方がよくないかい?」 「済まぬが、これは一体何の騒ぎだ?」 「人の話を聞かない秀吉も素敵だよ、でも素敵だけど聞こうよ!」 「ああ、何でも風鈴屋と旅客とが揉めてるらしいよ。」 どうやらその風鈴屋の連中は血の気が多いと有名らしく、もう一方も中々に意固地で引こうとしない。 騒ぎも直ぐには収まらなさそうだ。 大方、ならず者の集団が仕切っている商いだろう。 全く、喧嘩っ早い生物にろくなのはいない。
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