清々しき朝編

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06:50 庭から上がり、静まりかえった廊下を一人歩く。 こういう時間は、僕の急いた心を落ち着けてくれるから嫌いじゃない。 「半兵衛か、相変わらず早いな」 「秀吉!――全力で前言撤回するよ、僕が一番好きな時間は秀吉といる時さ!」 「…何の話だ?」 どうやら起きたばかりらしい。秀吉は今だに寝間着のままだ。 今日も後頭部の寝グセが一段と愛らしいよ! 「体は良いのか?」 「絶好調だよ。僕も京へ行くのは楽しみなんだ」 無論、秀吉と一緒だから、だけど。それを秀吉が知る必要は無い。 それに、軽く偵察もできる。やはり相手の状態は自分の目で確かめたいからね。 「それなら良いのだ。お前は根を詰めすぎる癖があるからな。たまには気晴らしも良いだろう」 「!僕を気遣ってくれていたのかい?秀吉…」 「我とて鬼にはならぬ。今日ぐらいは羽目を外そうではないか」 ひ、秀吉が僕のことをこんなに心配してくれていたなんて…! 「ありがとう秀吉!今日はうんと楽しもう!」 「うむ!」
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