145人が本棚に入れています
本棚に追加
ミシッバキバキィ!!
「おお!?待て待て忠勝!ツノが当たっておるぞツノが!!」
「………!!」
騒々しい破壊音を立てて登場した、戦国最強を唱われる本田忠勝。
その背後に隠れてしまって声しか届かないのは、恐らく主の徳川家康だろう。
本田の兜が引っ掛かって、見事に暖簾と屋根を突き破っている。
幸い、僕たちの存在には気付いていないようだ。
軽く机に身を伏せる。(秀吉はあまり意味が無い)
「戦でない時にまで出会ってしまうなんて…どうする?秀吉」
「様子を見る。戦闘の意思が無ければ闘わぬのが一番だ」
「しかし相手は本田だ。先手を取らなくても大丈夫かい?」
「ここで戦えば民草まで巻き込む。此処が我の領地でなくとも、それだけは避けたいのだ」
「っ秀吉…君って人はどこまで素晴らしいんだ…!」
感極まって涙が溢れそうになった時だった。
「!!おっおめぇら、何でこんな所におるのだ!!!」
家康くんがこちらを向いて叫んだ。
秀吉は三十五個目の饅頭を頬張っていた。
最初のコメントを投稿しよう!