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バレてしまっては仕方がないな。
椅子から立ち上がり、こちらを指さし固まっている家康くんを見据えた。
秀吉は程良い温度になった茶をすすっている。
「予想外だね。何故君達なんかがこんな辺境にいるんだい?」
「ちょ、こっちが先に聞いておるのだぞ?!答えるのはおめぇらだろう!」
「君に理由を話す気は無いよ。私情だからね。」
「ならわしらだって私情だ、話す気はねぇ!」
「話す気があるかは問題じゃないよ。君には話す義務がある」
「何だその屁理屈!?ジャイアンかおめぇは!!」
「待て、半兵衛」
秀吉が空になった湯呑みを置いた。
店にいた数人の客は、既に店の外の野次馬に紛れている。
「我らは戦をしに来たのではない。見たところお前達もそうだな?」
「…ぁ、あぁ…まあな…」
「それならば争う理由などないだろう。今は両者とも引くべきた。」
「なんて器の大きさなんだ秀吉!眩しすぎるよ!」
「…なんかおめぇら、いつもとキャラ違くねぇか?」
「何 か 言 っ た か い ?」
「いっ、いやいやいや!何も言ってねぇ!何も!」
ならいいよ、と言い再び椅子に腰を下ろす。
家康くんも頭を軒に詰まらせたままだった本田に指示を出し、机を挟んで向かい合う位置に渋々座った。
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