22人が本棚に入れています
本棚に追加
するといつの間にいたのか、突然後ろから悠介が囃し立ててきた。
「お熱いねぇ!若い二人は!おい、お前ら!くっついたのは俺のお陰なんだからな!感謝しろよ!あーあ、廊下で堂々イチャつくバカップルの誕生だ!」
そこで僕らは初めて、そこが学校の廊下だということを思いだし、顔を見合わせて赤面してしまった。
よく見ると、廊下にいる人はおろか、教室の窓から身を乗り出して見物している人までいる。
だからとりあえず僕は彼女を腕の中から解放し、彼女と向きあうように立った。そして、彼女に恋して以来、一番言いたかった言葉を、僕は言った。
……ついに、言えたんだ。
「おはよう、愛里。これからよろしく」
その瞬間、周りから拍手や歓声が沸き起こり、彼女がそれに応えるように眩しく笑ってこう言った。
「おはよう、秋人。こちらこそ」
最初のコメントを投稿しよう!