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「「あのー……」」
最初は二人のやりとりを呆然と見てるだけだったが、さすがにいたたまれなくなり、声を掛ける。
それがたまたまハモってしまい、お互いに顔を合わせて苦笑した。
「あぁ、悪い悪い。
ってか……誰?」
自分のことを由貴と名乗った男はどこか申し訳なさそうにしたあと、目を丸くし、尋ねた。
いやいや、先ほどまでいなかった人物(つまり俺)に戸惑うのは分かる。
だが、その質問はねえだろ……
別段、特に気にしてるわけでもないが、なんとなくそんなことを考えた。
「あっ、えっと……神さーーじゃなくて……私の彼ーー」
「違う」
反射をも思わせる否定に自分でもむず痒い気持ちになる。
なんだかなぁ……
玲奈はわざとらしくちぇと軽く舌打ちしたあと、
「雄二くんったら、連れませんねぇ……」
とボヤいた。
俺だって否定しないような関係になりてぇよ!?
心の中だけで寂しく涙を流す、俺。
なんか悲しい……
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