コラボ小説~苦労人~

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キーンコーン、カーンコーン 試験終了のチャイムが校内全体に響き渡る。 それと同時に俺は集中力とともにシャーペンを放り投げた。 「では、筆記用具を置いて、一番後ろの生徒は解答用紙を回収して下さい」 監督の教師がそんなこと言っても一番後ろに席を陣取ってなんていない俺には関係ない話で、心から試験の開放感に浸りきっていた。 さて、帰ったら何すっかな? 久しぶりに修一たちとゲーセンでも寄ってくか!? なんて浮かれ気分MAXで思考する。 少なくとも結果が出るまでは自由時間だ。 テスト勉強に費やした時間(それも大した時間ではないが……)を思いっ切り遊び倒してやろうではないか!? 「起立、礼。 ありがとうございました」 と事務的でしかない号令に従ったあと、うーんと背伸びしてから、遊びに誘うため修一たちの席へと向かった。が、 「あっ、雄二くん、ちょっと待って下さい」 という玲奈の声に思わず立ち止まる。 まぁ、当然のことだ。 修一たちより、どんな小さな要件でも、玲奈の方が大事だし。
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