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「うぅー、さっきのはギュッと手を握るとこですよ?」
頬を膨らませながら、ブツブツ文句を言いながらも、どこか笑っている玲奈にこちらも自然と笑みが零れる。
テストでのストレスを解消するには、アロマとかよりずっと効果がありそうだ。
「勝手に言ってろ。
そんなの俺の知ったことか……」
恥ずかしいのを紛らわすため、どことなく視線をずらす。
だいぶ学校から離れて来たな……
なんて思考を少しだけづらしていると、あの……その……腹の虫が小さな音を立てて鳴いた。
しばらく歩いていたため、どうしても多少の空腹は禁じ得ないわけで……その……仕方ねえだろ?
立派な生理現象だ!!
なんて言い訳したところで羞恥心を増大させるだけなのだが……
せめて女性の前でやることじゃないと深く反省。
それを聞くと玲奈は軽く吹き出し、クスクスと笑いを堪える。
俺はその場で顔を赤くするだけだったが、あまりにも笑いを堪える玲奈に嫌気が指し、注意を促す。
すると、なんとか笑いを押さえ込み、すいませんと謝られた。
……なんか素直だな。
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