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「あっ、いや、原因を作ったのは俺なわけで……
玲奈が気にすることじゃねえから。
ただあまり笑わないで欲しいかなぁ……と」
頬をかきながら、苦笑する。
俺って素直に謝られると弱いよな……
別に普段、強いってわけじゃないけど……
「ふふっ、分かりました。
雄二くんがそうしろっていうなら、そうします。
ちょっと難しいかもですけどね」
そう言うと、玲奈は小悪魔的な微笑みを放つ。
俺は大きく溜め息を吐いたあと、グタッと脱力感に包まれた。
絶対、天使より小悪魔の方が近いよな……
なんて失礼なことを考えながら、歩を進める。
別段、間違ってもいないだろ?
なんとか腹の虫を押さえつけるも、そろそろ限界ってもんがあるもので、危ないな……なんてときに一つのファミレスが目に入った。
全国チェーン店というわけでもなく、地域密着方のローカル店。
ファミリーレストラン「ジャンゴ」と看板には表記されていた。
「ちょうどいいですし、ここでお昼済ませちゃいましょうか?
お腹も空いてきましたしねぇ……」
俺が口に出す前に玲奈が口を開く。
目が意地悪げに笑っているのを除けば、なんと嬉しい言葉なのだろう。
目が笑っていなければ……
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