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「悪かったな、腹が減ってて……
俺は玲奈みたいに細いわけでもないし、成長期には栄養摂取が必要なんだよ!?」
憎まれ口を叩きながらも、異存なんてあるはずもなく、自然と進む足を止めることもなかった。
カラン、カランーー
店内に入ると中は学生でそれなりに賑わっていた。
他校の生徒も見受けられる。
この時期はどこもかしこも似たようなもんだな……
とどうでもいいことを考えながら、少し奥の四人掛けの席に腰を下ろした。
せめて知り合いには会いたくねえな……
ただでさえ玲奈の存在は目を引くし、学校中には知らぬ者なしの存在だ。
他校からの生徒からも人気があるとかないとかで、今の俺の現状を考えて、少しばかり身震いする。
だから、誰かから話し掛けられるきっかけとやらが欲しくなかった。
そんな不安をよそに玲奈はいそいそとメニューリストに目を通している。
まっ、絡まれようと俺が守るどころか、むしろ守られる立場だし、どうにでもなるだろ?
と楽観視し、俺もメニュー選びにいそしんだ。
やっぱ食欲には勝てねえし……
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