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「では、私は飲み物を取って来ますから」
それからドリンクバーと適当なものを頼んでから、玲奈は口を開く。
俺が行こうとしたのだが、
「雄二くんが、空腹で倒れちゃったら大変じゃないですか!?」
などとからかわれてはぐうの根も出ない。
仕方なく飲み物は玲奈に任せ、やることもないので、なんとなく回りを見渡した。
するとつい先ほど店に入って来た二人組が目に入る。
自分たちと同じ、あるいは一つ上ってところだろうか。
一人は明るいブラウンの髪が印象的で、どこか人の目を引く力を感じさせる青少年である。
俺が青少年っていうのもどうかなのだが……
もう一人は黒髪短髪の同じく青少年で、こちらも別の意味で目を引いた。
なにしろ……
「竜。じゃあ、俺は飲み物持って来るからなっ!!」
ハイテンションでウルサいってか、元気がいいのだ。
どこか修一めいたものを感じるな……
なんて頭の片隅で考えながら、玲奈が戻って来るのを待つ。
その竜とやらは、しごく面倒くさそうに頬杖をついていた。
その仕草や格好にまったく、違和感のないのが妙にムカつく。
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