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「お待たせしました」
突然、玲奈の声が聞こえたので、体がビクリと反応する。
ふぅと一息吐いて、なんとか冷静を装い、返す。
「んっ、ありがとうな」
そして玲奈はグラスを置いてから、いえいえと手を振る。
なんでもない仕草なのに、それを見るとどこか心が安らいだ。
ふと目を落とすと玲奈が持って来たグラスには気持ち悪いほど鮮やかな緑色の液体がそそがれている。
さらにその中にシュワシュワと小さな無数の泡が漂っている。
いわゆるメロンソーダと呼ばれるものだ。
「なあ、玲奈ってこんなのが好きだったっけ?」
特に気になることでもなかったが、会話するためにも一応、聞いておく。
少なくともテストの話題は避けたい所だしな。
「いえ、違いますよ。
ただの私の気まぐれです。
たまにもこんなのもいいじゃないですか?」
「ふぅん……
まっ、俺からしたらたまにはじゃないんだけど……」
メロンソーダはどちらかというと好きと言った部類の飲み物で、頻繁にとはいかないが結構飲んだりはしている。
炭酸は体に悪いらしいけど、そんなこと言われてもあまり実感湧かないし。
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