『真紅の着物と花』

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伸行 『三次さん、貴方は女性 に詳しいですか?』 三次 (照れながら、馬上の伸 行を見て) 『詳しい~ですか?…ま ぁ~、多少は、あっちの 事は』 伸行 『あ、体の事でなく…( 笑い)』 三次 『?』 伸行は、又悪い癖が出て しまった。 自分の考えが相手に伝わ ってると思う、癖である 。 伸行 『いゃ、済まない。女性 は季節を恋し、愛する事 が、男よりも強いと思う んだが…』 三次 『ははは、伸行様らしい ですね、考え方が』 伸行 『そうか?何故?』 三次 『私は、そんな事、考え た事無いです』 伸行 (照れながら) 『三次さん、おかしいか ?』 三次 『いいえ、大切な事だと 思いますょ』 三次は羨ましかった。伸 行の物事を考える道が、 自分と違い美しく、暖か いのである。改めて三次 は伸行の良さを感じた。 伸行 『三次さん、実は余り女 性と話しなど、無い。増 してや相手が、鈴姫』 三次 『私は大丈夫だと、思い ますがね』 伸行 『何故だ?』 三次 『なんとなく』 伸行 『頼りない回答だな~( 笑い)』 三次 『何も喋らずとも、伸行 様なら、伝わるでしょう 』 伸行 『だと、良いが…』 ~暖かい春の香る小川の 脇道を馬上の伸行と三次 は神戸城の天守閣を見つ めていた。
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