風と土 ~<時の足音>

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彼の仲間は、三人いる、 土師 守弘(はぜ もり ひろ)大木 三次(おお き さんじ)柳 勝茂( やなぎ かつもり) 守弘は、尾張から来た者 で、織田軍の下級兵士で 、先の桶狭間の合戦で父 は死んだらしく、彼は、 父の故郷で伊勢の情報を 収集しろと、織田軍の滝 川一益に単独で極秘に言 われ来て居ていた。 伸行が父の命で福善寺住 職に書状を届けに来た時 に、境内で居眠りしてい た姿を見て、 住職に尋ねると、 『修行だと』本人は言っ てるらしい。 何か伸行は気にいったら しく、 『俺も、修行』と言って 横に座り、共に喋らず、 夕方までいた、すると 守弘が 『お前、戦した事あるか ?戦を、なんと考える? 』 伸行 『戦は無い、その時考え る』 守弘 『ふん、変わっ男だな』 伸行 『普通だ』 守弘 『普通?普通なら勝って 手柄、なり名を上げたい とか、俺が今まであった 奴は皆そう答えた』 伸行 『そもそも、戦をした事 の無いのに、答えがでる 訳がなかろ?』 守弘 (確かに、こいつの言う 通りだ、では質問を変え てみるか…) 『ところで、お前は何故 、俺の横に要る?』 伸行 『気になる』 守弘 『どこがだ、ハッキリ言 え』 伸行 『尾張の動きが』 守弘『俺と尾張は関係な い』 伸行 『いや、関係ある。織田 の士だろ』 守弘 (知ってるのか、コイツ 、まあいい滝川様の事は 知るまい) 『で、貴様は俺が織田の 者と知って何んとする』 伸行 『どれ程の者か知りたか っただけだ』 守弘 (掴めん奴だ) 『貴様名は』 伸行 『山路 伸行二郎だ、貴 様の名は?』 守弘 『土師 守弘だ、もしや 高岡城主、山路弾正の子 か?』 伸行 『そうだ』 守弘 (やつかいな、奴と知り 合ったな… こいつを、この場で切る か…待てョ、上手く行け ば神戸氏と、この北伊勢 の情報を多く入手出来る か…) 伸行 『つまらん、事を考える な~土師さんョ』 守弘 『ぬ、…』 (こいつ、見抜きやがつ たか…?) 伸行 『俺を斬っても、いいよ 、ま~なんの特にもなら んし、俺に近ずいて損は 無いと見たか、ははは、 なんなら、父に合わせて やるょ』 守弘 『まぁ、そこまで見抜か れては、何も出来んな、 ははは』 (こいつ、たいした奴だ しばらく、様子をうかが うか) 伸行 『父に会うか?帰って、 伝えても良いが、土師さ ん、かえってまずいか… 、なんなら俺の配下にな らんか?人集め中だ』
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