風と土 ~<時の足音>

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伸行は、彼と三日後また この寺で会う約束をし、 帰る事にした。 実は、彼を配下にさせる 、裏工作を考えていた。 まず、彼の母を味方にと 考え、その足で守弘の借 り住まいに行き、伊勢若 松で取れた、旨い魚と絹 を渡し、 『守弘殿に、この土地で ずっと居たいと、言い続 けて欲しい』 されば、日々の生活は、 山路家が面倒を見ると 言い、母を味方に付けた 。 守弘の母が守弘の大の酒 好きと、教えてくれた。 伸行は、早速、伊勢の地 酒を手配し、その酒を三 日間届けさせた、最後に 織田軍の滝川一益に、偽 の書状を届けさせ、彼の 居場所を無くす手を打っ た。 伸行の偽書状は、 『伊勢の長島にて、神戸 殿と密談の場を調えそう ろう、滝川様密議、お願 いそうろにて…』 と言った内容でむろん、 嘘で、見事に引っ掛かり 、滝川一益は長島まで出 てきた所を長島辺りの、 野党に滝川を襲わせた、 滝川は無事ではあったが 守弘を疑い、相手にしな くなった。 守弘は、案の定帰る場所 が無くなってしまった。 三日後 福善寺 夕方、伸行は守弘が寺に 来る前に寺で住職に空き 部屋を借り、酒と食事の 用意をさせ、守弘をまっ た。 守弘『困った、事になっ た』 伸行 『どうされた?』 守弘 『母が帰りたく無いと…』 伸行の策略と守弘は 後日知る事となる。 さて、 土師守弘との話しは 、この辺で終わり 大木三次だが 伸行が幼少の頃、伊 勢若松の漁村に釣り をしに行った時知り 合った、伸行よりガ ッチリとしていて 、優しげな瞳、言葉 は漁師育ちの為か、 やや荒い が、人には親切 伸行より少し歳上伸行が付けた、 あだ名が、『熊』 ちなみに、守弘は『犬』 柳勝茂は、『蛙』 伸行の配下になるき っかけは、伸行13歳 の穏やか な日だった。
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