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近づいて見てみると、少年はどうやら花を摘んでいるらしい。
そこは私も知らない花畑。
色とりどりの様々な花が咲き乱れていた。
少年の黒髪に、木々からの木漏れ日が当たり、少し焦げ茶がはいる。
辺りの花畑は風と共にそよそよと揺らめき、花びらを散らす。
すごい…。
綺麗…。
その光景に、私は引き込まれた。
綺麗で、美しくて、自分が造った世界だと言うことすら忘れて、ずっと、ずっと見ていた。
花びらに見とれていたら、いつの間にか少年はいなくなっていた。
「…あれ?どこいっちゃったんだろう…。」
辺りを見回してもどこにもいない。
「ま、いっか。」
その時の私はその少年よりも、この花畑の方が魅力的で、少年がいなくなったあと、花畑の真ん中に仰向けに寝転んで、昼寝をした。
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