†第一話†

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「すごい…、おっきい…。」 その楠木は屋敷にも負けず劣らず、まるで、この場所の守り木のように、そびえ立っていた。 ハヤトはどうやら掛かっている梯子から登ったらしい。 私も、と思ったけど、そこまで人間と同じようにしなくていいや。と思って、楠木の上部の枝まで空中移動した。 …あら? 気づけばハヤトは私の下の枝に腰掛けていた。 すると徐に、ハヤトは先程摘んだ花をばらまいた。 花が舞う。 風に乗って…。 ハヤトは一人でずっと、日が沈むのを眺めていた。 一人で、ずっと…。 そういえば、ハヤトはいつも昼頃にあの花畑に来ては花を摘んで、そして多分、毎日のように、花をばらまいているんだ。 一人で…。 私は堪らなくなって、つい… 「君、…一人ぼっちなの?」 と、聞いてしまった。  
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