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里佳は小さく息を吐くと佑樹を睨み返した。
「……その言葉信じていい? 氷室は紅葉の味方になってくれる?」
突然不安そうな表情に変わった里佳の姿に、佑樹は一瞬戸惑ったが、鼻で笑うと里佳のおでこを小突いた。
「味方になるとかよく分かんねぇけど、とにかくオレはアイツが気になるの! ……なぜか……。まぁ、敵にはならねぇから安心しろ。アイツにはおにぎり貰った恩もあるしな。しかも二個」
そう言うと里佳の顔から一気に血の気が引いた。
「う、嘘でしょ!? で、それどうしたのよ!?」
「もちろん食べた。具はなんか良くわかんないものが入ってたけど、メチャクチャ美味かったぞ。そうだ春野! お前早乙女に謝れよな! あんなに料理上手なのに下手とか言ってんじゃねェよ!」
里佳はそう言う佑樹の手を両手で掴むと、尊敬の眼差しを送った。
「アンタ、本当に救世主かもしれない……。私と女将さんの……いや、紅葉にとっても!」
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