第三章 民宿・さざ波

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「な、なんて顔してんのよ? これからは紅葉のこと守って貰わなきゃならないんだからシャキっとしなさいよ! シャキっと!」  里佳はそう言うと思いっきり佑樹の背中を叩いた。 「イッテェ――――ッ! ふざけんなよテメェ!」 「アハハ! アンタ面白いわ! おっ! 足音が聞こえる……そろそろね」  里佳は足早に部屋の隅に移動するとちょこんっと正座した。  その後しばらくすると物凄い勢いで戸が開いた。 「あんのバカ息子の子どもはどこだい!? 顔を見せなっ!」  それと同時に鼓膜を突き破るような勢いで叫び声をぶつけてきた。 「うわぁ! ボ、ボクです。突然お邪魔してすみません、氷室佑樹です」  佑樹は礼儀正しく正座し、頭を下げた。  声の主は佑樹の目の前に移動するとドスッと座った。 「顔を上げな」  ドスの効いた野太い声に佑樹は一瞬ビビったが笑顔を崩さないまま顔を上げた。  人間、一番大事なのは第一印象だ。ここでヘマは出来ねぇ! 「お久しぶりです、お祖母さん」
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