第四章 白浜臨海高校

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「いただきます……」  現在八時、佑樹は今にも消えそうな声で呟きながら箸に手を伸ばした。  旅館の朝は思った以上に早く、思った以上に過酷だった……。  そんな旅館の過酷な朝をちょっとだけ紹介しよう。  朝五時起床。部屋を片付けたあと、制服に着替え、雑巾がけ……。春野は住み込みじゃないからやったのはオレと早乙女だけ……。さすがに無理だろって思ったオレは、 「こんな広い旅館の廊下を二人だけで雑巾がけしろとか無理だろ! なぁ?」  って早乙女に愚痴った。そしたらアイツに鼻で笑われたあと、 「別に~~佑樹君が来る前は毎朝一人で全部やってたから。男なのになっさけな~~」  とか言われた……。  それでムキになって雑巾がけを始めたんだけど……思ってた以上に廊下が長かった……。  早乙女はオレが半分も終わらない間に終わらせて、向かえに来た春野と一緒に学校に行きやがった。  それで早乙女に遅れること一時間、ようやく雑巾がけを終えたオレはこうして飯を食べようとしているんだけど……、 「なぁにやっとるんじゃ! お前はぁ!」  朝っぱらから般若みたいなばあさんの説教のせいで箸をつけられない……みたいな感じの朝です。
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