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うつ向きながらギュっと唇を噛むと紅葉は近くに置いてあったトンボで砂浜をならし始めた。
「オ、オイ! このままじゃどうなるんだよ! なぁ!」
「うるさいっ! 早くどっか行ってよ! あっ……」
突然紅葉の動きが止まった。
不思議に思った佑樹は紅葉の目線の先を向いた。
そこにはジャージを着た三人の女子がいた
三人はクスクス笑いながら、ならされていない砂浜を見渡した。
「……ちょっと早乙女さん、これはどういうことよ」
「す、すいませんキャプテン! すぐにならします!」
紅葉は慌てて頭を下げると急いで再び砂浜をならし始めた。
そんな紅葉に三人の中心にいた女子がずいっと歩みよった。
「あなた、ちょっと足が速いからって調子乗ってんじゃないの? いくら足が速くたって、準備もろくに出来ないようなやつはうちの部に必要ない! わかった!?」
「は、はいっ! キャプテン! 本当に申し訳ありませんでした!」
「ふんっ、早乙女さん! 罰として私が許可するまで走り続けなさい!」
「えっ!? それだと午後にある記録会が……」
「そんなの出すわけないでしょ!? 残念だったわねぇ、早乙女さん」
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