805人が本棚に入れています
本棚に追加
三人の高笑いが綺麗な砂浜を支配した。
しかし紅葉はなにも言い返すことなく浜をならし続けた。
だが佑樹は気づいてしまった。彼女の瞳が潤んでいることに……。
佑樹は紅葉の肩をポンっと叩くと三人の方を向いた。
「早乙女も大変だな、一年でエースになっちゃうなんてさ」
クスッと笑いながらそう言うと、さっきまで笑っていた三人の表情が急変した。
「……なんだ君は……早乙女さんのお友達?」
「違いますよ。まぁ、知り合いではありますけど」
佑樹はそう言いながら紅葉の前に移動して三人を睨み付けた。
「な、なにさ……」
佑樹の気迫に押され三人はじりじりと少しずつ後退した。
佑樹はそんな三人に近寄りながらさらに言葉を続けた。
「ここを荒らしたのはオレだ。だから責任はオレにある」
「……だからなんだって言うの? まさか早乙女さんに与えた罰をなくせとか言うんじゃないでしょうね?」
「いや、なくせとは言わねぇよ罰は罰だからな。でもその罰はオレが受ける! 早乙女は関係ねえ!」
最初のコメントを投稿しよう!