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「里佳……ありがと、すっごく嬉しい」
瞳を潤ませながら紅葉は里佳に抱きついた。
「も~~、紅葉は甘えん坊なんだから。でもホントに無理しちゃイヤよ? 大きい声じゃ言えないけど、一年生は全員紅葉の味方なんだからねっ!」
「うん……」
ギュッと抱き締めてきた紅葉の背中をトントンっと叩くと、里佳は佑樹の方を向いてニッと笑った。
「嫉妬……」
「う、うっせぇ、バーカ! なんでオレが……」
嫉妬なんかしなきゃなんないんだよ……ま、まぁしてないかって言われたら嘘になるけど……。
里佳は紅葉から離れ、図星を突かれてちょっぴり焦っている佑樹の肩を力強くバンバン叩いた。
「よ~~、氷室君。ちゃんと私との約束守ってくれてるみたいだね。さっき先輩達がメチャクチャ不機嫌そうな顔して帰ってきたよ。なんでも見慣れないムカつく男が居るみたい」
ニヤニヤしながら言う里佳の顔につい佑樹の口元も緩んだ。
「そうなの? 見慣れない男かぁ……見つけ次第オレもその先輩達に報告した方がいいかなぁ?」
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