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麗奈「えっ?いなかっ…た…?」
香月「さっきまで普通に先輩に冗談とか言ってたのに?」
みんな混乱している。
俺は冷静を保とうと一度深呼吸し、志村一輝に視線を向けた。
『一輝さん、井戸を開けたのは事実ですよね?』
一輝「ああ。」
『話してくれませんか?何があったのか…』
一輝「………あの日、俺たちは井戸の噂を知ったんだ。」
『図書室の新聞を見たんですよね?』
一輝「ああ、そうだ。あの時正直気が進まなかった。でもあいつら面白そうだからって…嫌がる俺を無理矢理引っ張り、井戸につれてかれた…」
一輝「俺は横で見ているだけだった。フタを開けたのは彼等。ただ本当に眺めているだけ…井戸のフタが開いたとき…いきなり頭が痛くなって…吐き気がしたんだ。」
――――――――――――――
一輝「もぉ止めようぜ!」
「なんだぁ?一輝、お前ちびってるのかぁ?」
「でもなんかつまんねぇよなぁ…これだけかよ」
一人の友達が井戸に向かって石を投げたんだ…
次の瞬間…
どこからか分からないが一人の女の声が聞こえて来て…
「寒イノ。ワタシト一緒に…」
背筋が凍った。みんなには見えていなかったけど、俺にはハッキリ見えたんだ。そこにあるはずのない手が…顔を半分出し、こちらを覗いているまだあどけない少女が……
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