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異形がそう言い残し去って行くと周りが明るくなってきた。血の臭いは消えて涼しい風が吹く。空は青く、鳥が飛んでいる。 「帰ってきた…」 遠くに捜索隊が見えた。渡辺は安心して座り込んでしまった。そして両手に持っている鍵とメモ帳をみた。それだけは血の臭いが微かにしていた。 「いまは…とりあえず帰ろう。」 鍵とメモ帳をズボンにいれ、捜索隊が来るのを待った。渡辺は疲れて座り込んだまま寝てしまった。 「お前どこにいたんだ!!!?捜査員が行方不明などと…」 渡辺は上司にしぼられていた。出来事を半分話したが信じてもらえない。 「だから浅野村にいましたよ!!!!でも普通の浅野村じゃなくて異世界的な感じの浅野村で…なんかよくわかんないミミズのモンスターみたいなやつが…」 「ああぁ!貴様いつまで馬鹿を言っているんだ!!!……少し頭を冷やせ。お前は謹慎だ。一週間で落ち着けるな?」 渡辺の上司はこめかみをピクピクさせながら凄まじい剣幕でそう言った。 「はいはい謹慎ですね。わかりましたよ。始末書書きながら暇つぶせばいいんだろ!!!?」 渡辺は勢いよく出て行った。彼はなにも悪くない。なのに叱られてイライラしていた。 「あのクソが…息くせぇんだょ!」 家につきイライラが収まると、血の臭いがするメモ帳を見た。 「…読んでみるか…」 メモ帳は日記のようになっていた。
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