捜査

2/3
前へ
/13ページ
次へ
10月、福島県警では消息を絶った民族学者とその甥の捜索を行うことにした。 100人体制で浅野村を捜索。 甥が消息を絶ってから一週間。炭鉱にでも迷いこんだのだろうと誰もが考えていた。 「見つかりますかねぇ西さん。」 彼の名前は東。警官になって四年目の若手である。 「さぁねぇ?炭鉱に入ってるなら…落盤で埋もれちまったりしてるんじゃないか?あの村にはほとんど人がいないから誰も気付かないだろうし。」彼は西。20年目のベテランで東の親父役である。 「これで見つからなかったらだめですかねぇ?あんななにもない村になにしにいったんだか…。」 捜索一日目、必死に彼らを探したが見つからなかった。住んでいるのは老人が10人だけで目撃情報もない。 「間も無く日が暮れるから引上げましょうゃ!」 西が言ったように一日目の捜索終了の指示が降りた。 「見つかりませんでしたね西さん。100人もいるのに」 「炭鉱は入口付近しか探せなかったからな。奥まで行っちまったのかも知れねぇな。」 捜査員の点呼をとっている時…警官が一人異変に気付いた。 「あら??…若いのが一人いませんょ班長!」 10班に編成されたはんごとに何人かの若手がいたが。捜査員が一人いない。 「たしかに俺の目の前で一緒に捜索してたのに…」 「あんた無線は使えないのか?」 東が首を傾げている警官に言った。しかし無線は繋がらず、ケータイも圏外でつかえないという。 「まずい…捜査員が行方不明などと…」 すぐさま本部に連絡、今は捜索が無理と判断し明朝5時半から再開することとした。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加