僕の花

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君が守った花は 今僕が温めているよ。 君に守ってもらった花は 元気に育っているよ。 君は花を見る事はなく、 この世を去ってしまったけど、 僕は君の分まで 僕たちの【花】を幸せにしていくよ。 君がいなくなってちょうど一年が立ちました。 今日は花と一緒に 君のお参りに来ました。 君が好きだったから、この子の名前は【花】にしました。 君は花を産んですぐに逝ってしまったけど、 君がそれを望んだんだ。 産んだら死ぬと言われたのに君は【花】を必死に守った。 君はこう言ったね。 何回踏まれても 何回茎が折れても 懸命に生きる花の様に 強くなってほしい。 君を失って、僕も後を追おうとした。 君は空の上から僕を叱ってくれたんだ。 …僕は決めたよ。 君が花なら、僕は君を支える土になろう。 君が星なら、僕は君を見守る月になろう。 君が雨なら、僕は君に寄り添う虹になろう。 君が貝殻なら、僕は君を抱きしめる波になろう。 君が木の葉なら、僕は君をさらう風になろう。 君が泣くのなら、僕が笑わそう。 君が悲しいのなら、僕が包みこもう。 君が生きるなら、僕も共に生きよう。 僕が花なら、君は太陽になって僕を照らしてくれるんだ。 君は死んでしまったけれども 君の為に… 君の花の為に 僕は生きよう。
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