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その日の夜、潤はなかなか寝付けないでいた。
(…………ね、寝れねぇ………あんなの有り得ねぇよ。それに、あの『すべてがゼロになる。』ってどういうことだ?)
そんなことを考えているうちに、潤はいつの間にか眠ってしまった。
翌日、今日は休日なので友達の結城と遊ぼうと結城の家に行った。
だが、結城なんて知らないと言う。
『どういうことですか?』
『どうもこうも、結城なんて子、家にはいませんよ。』
不思議に思いながらも、家に帰ろうとしたその時、
『一人目だよ。』
聞き覚えのある声、何かひんやりとした感じが身体中を駆け巡った。
あいつだ!
振り返ると、昨日の青年が背後に立っていた。
『一人目ってどういうことだ。』
潤は聞いた。
『言っただろ、すべてがゼロになる。つまり…………すべて消える!』
『すべて、消える?』
『そうさ、つまり、君の友達は消えた。ま、正確には“消した”んだけどね。』
『どうして、そんなことを。』
『君には関係無い。』
そうして、青年は消えた。
潤は唖然としていた。
結城はもう戻ってこれないかも知れない。
『結城…』
潤は、悲しみが一気に溢れ出した。
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