黒い影

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これは今から8年近く前。私の霊力が本格的に目覚める前のお話。 当時は閑静な住宅街の中にあるマンションに住んでいた。駅からは近いし、静かで日当たりがよく、住むにはとても良い環境のマンションであったが、難点が2つあったのだ。 1つは風呂場のある北西位置の周囲がジメジメしており、日頃から風を通していてもすぐに壁などにカビが生えてしまうほどなのだ。そして、もう1つは家の中で昼夜を問わず黒い人影をよく目撃するのだ。 最初は私だけが黒い人影を目撃するのかと思っていたのだが、3歳になる娘の言った一言で私は凍りついた。娘は『このおうち、黒い影みたいな人も住んでるよね。』と言い放ったのだ。
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