鬼退治

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般若は問答無用で私に飛び掛ってきた。私はとっさに霊体の腕を伸ばし、般若の首を抑え、そのまま押し返した。 『いや~ん。揺れてる。立っていられない』そう言って、貝邏はしゃがみこんだ。あまりの邪気に貝邏が影響されてしまっている。このままだと二次被害が出てしまう。 『彩、行け』私が心の中で叫ぶと彩が私の背後から飛び出し、逃げようとした般若の首筋から肩にかけて食いついて押さえ込んだ。龍は鬼の天敵だけあって、私が念じるより早い。さすがである。 彩にくわえた鬼を持ってくるように言うと、彩は私の前にくわえたままで鬼を持ってきた。鬼はぴくりとも動かない。私は意識を集中し、鬼を結界でくるみ、そのままバレーボール大に圧縮した。
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