真夏の夜の下久保ダム

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夜10時を過ぎた頃、夏の暑い夜だったもので、必然と「夏の風物詩」恐い話になっていきました。そして一人がこんな話をはじめました。 「なー、この前『工藤』に聞いたんだけどさー、やっぱ下久保ダムって出るみたいよー。彼女と夜中車で行ったんだとー、そしたら・・・ トンネルの中でカセットの音がだんだん小さくなって、車も動かなくなったんだって・・・」 「ウソでしょー?エンストおこしたんだろー、女と二人でいい気んなってよー。」 「じゃなくって、その後トンネルの出口の所に白い服を着た人影が行ったり来たりしてたんだと。女が泣き出して、自分も泣きたかったけど・・なんて言ってたぜ。」 「くだらねーよぉ。キャーとか言わせて楽しんでたんじゃねぇのぉ?」 「んなこと言ったってよぉ、それだけじゃねーぞ、あそこって湖の上に立ってる電話ボックスあるじゃん。あそこでで上半身だけの女が電話かけてたってゆーのも聞いたことあるぞ。」 「ふざけんなよ。だったら俺達で行ってみよーぜ、本当だったらカメラ持っていって、心霊写真でも撮ってきてやるからよぉ。
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