143人が本棚に入れています
本棚に追加
…──会えるのはこれで最後になるかもしれないのに、一体彼はどこに行ったの……?なぜ私に黙って行ってしまったの……?もう私には会いたくなかったの…──?
そんなやりきれない思いが、飛希の頭を支配する。しかし飛希は、最後まで諦めようとはしなかった。
最後の望みを賭け、歩きながら彼を探してみた。途中何度か人混みの中に彼らしき後ろ姿を見掛けたが、結局すべて人違いで、とうとう彼が見付かることはなかった。
そして、いつの間にか日がとっぷりと暮れ、飛希はついに歩くのをやめた。
……目の前には、ホテル・ラグーンの正面玄関。
飛希は「結局は身分違いの恋なんだから…」と自分に言い聞かせ、ホテル・ラグーンの入り口へと足を向けたのだった…。
最初のコメントを投稿しよう!