別れ

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…──会えるのはこれで最後になるかもしれないのに、一体彼はどこに行ったの……?なぜ私に黙って行ってしまったの……?もう私には会いたくなかったの…──? そんなやりきれない思いが、飛希の頭を支配する。しかし飛希は、最後まで諦めようとはしなかった。 最後の望みを賭け、歩きながら彼を探してみた。途中何度か人混みの中に彼らしき後ろ姿を見掛けたが、結局すべて人違いで、とうとう彼が見付かることはなかった。 そして、いつの間にか日がとっぷりと暮れ、飛希はついに歩くのをやめた。 ……目の前には、ホテル・ラグーンの正面玄関。 飛希は「結局は身分違いの恋なんだから…」と自分に言い聞かせ、ホテル・ラグーンの入り口へと足を向けたのだった…。
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