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「インペリアル=スイートを使えるくらいのヒトなら、おそらくあの電話での話は本当ね……。そうなったら私は婚約……か」
一瞬、冬夜の顔が飛希の頭をよぎった。
しかし飛希は邪念を払うように頭をブンブンと横に振ると、ひんやりとする扉の取っ手に手を掛け、ゆっくりと手前に引いた。
すると音もなく扉は開き、開いた扉の向こう側には、より一層美しく整えられた空間が広がっている。
飛希は一瞬身震いすると、音を立てないようにそっと中に入っていった。
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