壱,

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「風神、雷神に乗せてってもらいましょ。近くにいるかしら?」  オートロック式の玄関を出て二人は、空を見上げて呟くのと同時に、目の前に二つのバイクのエンジン音が、響いた。  二人が視線を向けると、古風な衣を纏った対照的な男が、不思議な乗り物に寄り掛かって立っている。 『風神、雷神!!』 「あっし等をお呼びの様ですね、お嬢さん方」 「外は危険ですぜい。お供しやしょうか?」  二人が寄り掛かっているのは、バイクに似た乗り物で、一方は雷神の愛用車で前輪と後輪が稲妻の形をしている、もう一方は前輪と後輪が、竜巻の形をしている風神の愛用車である。 『うん。お願い、妖の所まで乗せてって』  二人は嬉しそうに、驚く事なく異口同音に頷いた。
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