第二話:俺と学校と変な奴等。

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 こいつ等は簡単に言えば双子。難しく言うと、一卵性双生児。  でも双子は双子だ。  ショートカットの髪に綺麗な天使の輪をつくり、クリクリとした瞳に長めのまつ毛。そして、小さくスッと伸びた鼻に同じく小さく艶の良い赤い唇をしているのが妹の琥珀。  一方、顔のパーツはまったく同じでツインテールの長い髪をしているのが姉の瑠璃。  髪型が同じだとまったく見分けがつかないが、性格に関してはまったく正反対。おっとりして人見知り、恥ずかしがり屋の姉の瑠璃。元気で無鉄砲、豪快な妹の琥珀。どうしてこうも見事に反対なのか、教えて欲しいぞ。まるで漫画やゲームの世界だ。 「珊瑚……お前、お姉ちゃんなんだからどうにかしろよ」 「それは無理。ボクの手を離れた可愛い妹達は晴れて自由の身です」  首にしっかりとしがみ付いてるので顔がうしろに向かない。  仕方がないのでそのまま話しかけるが、まったく相手にしてくれない。こいつ等の姉ちゃんなのに冷たい奴だ。  ――珊瑚は、瑠璃達の姉である。  そして、俺と同級生でしかもクラスメイトだ。セミショートの髪に、長いまつ毛と三白眼。小さくて可愛らしい鼻と薄いピンク色した唇。しかし、こいつはほとんどが無表情のポーカーフェイス。しかも独創的な頭の持ち主で不思議系。  でも、その頭脳は学年でトップの秀才。先生達の期待も高く、有名大学に進学させようと必死に説得しているらしいがどれも速攻で断られて途方にくれていると、泣きながら俺に話してくれた先生がいた。しかし、生徒を居酒屋に連れて行くのはどうかと思うけどな。
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