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「待っていたぞ、水上亮っ!」
あの状況のまま学校に着き、校門を入ったところで大声で俺の名前をフルネームで叫ぶうっとうしい声。
またかよ、こいつは。毎朝、俺の名前を大声で叫んで何がしたんだよ。
「今日こそは、決着をつけてやるぞっ!」
「うるせえよ、ハゲ」
「ハゲではない! これは剃っているんだっ」
朝日を受けて神々しく光る頭に、周りにいる奴等は目を眩ましてる。さすがに冬は威力が落ちるが、それでもこのハゲ頭は破壊力が違う。
もしかして、蓄熱式か?
フルチャージしたら、風呂でも沸くかも知れない。しかし、いつもの事なので、俺はサングラスを着用してこの攻撃から目をガートしている。瑠璃達もしっかりと学習しているのでサングラスを着用しているが、はたから見ればかなり危ない集団である事は一目瞭然だろう。
「で、何の用だ? メロンマスク二世」
「誰が、メロンマスク二世だっ、変な呼び方をするなっ!」
頭に浮かび上がる青筋は、全体に広がってマスクメロンのように見えるので、付いたあだ名がメロンマスク二世である。何故一世ではないのかという疑問は、こいつの親父が同じような頭をしているので、それで二世を襲名したわけだ。
ちなみに、こいつにはピッタリなあだ名なので誰も変えようとはしないが、俺も密かに気に入っている。
どこか、リングネームみたいでかっこいいぞ、ハゲ。
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