第二話:俺と学校と変な奴等。

6/8
前へ
/268ページ
次へ
「はいはい……それで、はげますようにが何の用?」 「浜守要(はまもりかなめ)だ! 誰も『守』を『す』とは読めんだろうがっ」  自分で何を説明しているんだ、こいつは。しかし、確かに読めんだろうな。 「だから、お勉強がてら呼んでいるんだよ。はげます君」 「浜の間に、『げ』を入れるなっ!」  まったく、ああ言えばこう言う奴だ。別にお前の相手なんてしたくないんだよ、こっちは。  それを毎朝、こんな所で待ち伏せしているから仕方なく、相手してやってるだけだ。ありがたく思えよ。大体、頭以外特徴のない顔をしているんだから、紹介する方の身になってみろ。  頭しか、紹介のしようがないんだ。まったく、もう少し特徴をつけて出直して来い! 「兄貴……ハゲ先輩、いつにも増して元気だね」 「ちょっと、琥珀ちゃん。ハゲ先輩はひどいよう。あれはハゲじゃなくて坊主って言うんだよ。ハゲてはないよ」 「何気にハゲを連発する瑠璃もすごい。でも、あのハゲは毎朝見るにはうっとうしい面ね」  三人の容赦ない言葉責めに、すでに意気消沈して撃沈しているハゲ。  泣くなら始めから出てくるなよ。  いつも毎朝、こいつらに言われてる事だろうが……。もしかしてこいつ、言葉責めフェチか?
/268ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加