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「はいはい……それで、はげますようにが何の用?」
「浜守要(はまもりかなめ)だ! 誰も『守』を『す』とは読めんだろうがっ」
自分で何を説明しているんだ、こいつは。しかし、確かに読めんだろうな。
「だから、お勉強がてら呼んでいるんだよ。はげます君」
「浜の間に、『げ』を入れるなっ!」
まったく、ああ言えばこう言う奴だ。別にお前の相手なんてしたくないんだよ、こっちは。
それを毎朝、こんな所で待ち伏せしているから仕方なく、相手してやってるだけだ。ありがたく思えよ。大体、頭以外特徴のない顔をしているんだから、紹介する方の身になってみろ。
頭しか、紹介のしようがないんだ。まったく、もう少し特徴をつけて出直して来い!
「兄貴……ハゲ先輩、いつにも増して元気だね」
「ちょっと、琥珀ちゃん。ハゲ先輩はひどいよう。あれはハゲじゃなくて坊主って言うんだよ。ハゲてはないよ」
「何気にハゲを連発する瑠璃もすごい。でも、あのハゲは毎朝見るにはうっとうしい面ね」
三人の容赦ない言葉責めに、すでに意気消沈して撃沈しているハゲ。
泣くなら始めから出てくるなよ。
いつも毎朝、こいつらに言われてる事だろうが……。もしかしてこいつ、言葉責めフェチか?
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