第三話:愉快な仲間が多い事だ。

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 教室というのは賑やかで騒々しいもの。  怒声と悲鳴、奇声と歓声が木霊する場所。そして、教科書や椅子が飛び交ってたりする場所でもある。 「今日も元気だな……あいつ等」 「そうですね。学生の本文は、遊んで遊んで、遊び尽くす事」  教室に入って、珊瑚の第一声がこれである。微妙に間違っているが、あえて否定はしない。  それは俺も激しくそう思うからである。 「しかし……よっと――これは、ほっ、すごいな」 「そう……ほっ。ふっ……中々、おにぃもやるね」 「お前もな……おっと」  俺と珊瑚の間を教科書達が飛んでいき、これを綺麗に避けながら、顔を見合わせてお互いを称えていた。  しかし教科書って意外と固く、当たると痛い。特に角なんて当たったら、あの世が見えてしまうかも知れない。  今行われているのが、我がクラス朝の名物『教科書合戦』空前の大ブームになっているものだ。と言うのは嘘で、要するに教科書を投げ合うはた迷惑なものだ。  まったく、相変わらずの奴等だ。頼むから自分の机でやってくれと切に願います。  で……今日の被害者は、誰の机だ?
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