第三話:愉快な仲間が多い事だ。

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「一辺死んで来いって言ってんだから、いいのよっ! お兄ちゃんっ」 「俺が嫌なんだよっ。まだいっぱいした事があるんだっ! あんな事や、あんな事や、こんな事をあんな事してっ」 「気色悪いわよっ」  周りはすでに机ごと非難しており、ギャラリーモードにチェンジして歓声とヤジが飛んでいる。  売り子してるのは、どこのどいつだ?  ダフ屋までいるのかよ、今日は。  しかし、そんな事は今の俺には些細な事だ。教科書を回収が出来そうにない今の状況なら、机に残っている民間人達(筆箱やその他色々)を回収しなくてはならない。  それに、机がないと授業中に寝れないだろ? あの至福の時を俺の手に取り戻せっ! 「だあっ! お前等いい加減にしろよっ」  俺の声に教室中の視線が一斉にこちらに向く。  机だけを助けだそうと思ったが、やはり一緒に頑張った日々を思い出すと胸が痛い。  よくも教科書達を亡き者にしてくれたな。  この無念、晴らさずにおくべきかっ! 「おにぃ……論点がずれてます」 「うっさい、今は言うな。と言うか、心を読むなっ」  隣から冷ややかなツッコミが入ってくるが、今は言うんじゃない。これから教科書達の弔い合戦だ! 「あっ――珊瑚ちゃん、亮先輩おはようございますっ」 「さんごっち、おはよお。そしてそこにいるのはっ!」 「うい。おはよ、みっちー……そして、ボンクラ兄」 「ああ、おはよう。美鶴(みつる)、功治(こうじ)……じゃないわっ! お前等」  冷静な朝の挨拶なんてしてるんじゃないっ!
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