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畜生、どいつもこいつも俺をなんだと思ってんだよ。
そんなに言われたら、立ち直れなくなるかも知れないだろ……ぐすん。
「だあー! お前も見てないで止めろや、珊瑚っ!」
「なんで……いつもの事じゃない。今更、瑠璃の裸見たってピーはピーピーなくせに」
「意味もなく、放送禁止用語を使うなっ!」
自分でピーピー言って頬を赤くするんじゃない!
まったく、こいつの言動はいつもおかしくて色々と大変だ。まともな事を言っているようで、少しだけズレている。こいつの感性を誉めるべきか、注意するべきか、いつも迷ってしまう。
「とりあえず、止めろっ」
「分かりましたよ。一番、瑠璃さん優勝」
珊瑚がそう宣言すると、瑠璃はピタリと動きを止め、そしてガッツポーズ。そのあと、何故か手を振っている。
もしや、観客にアピール?
どういう状況設定なのかは知らないが、完全に自分の世界に入ってるようで、瑠璃は見事に全裸一歩手前。まあ、辛うじて下着だけを着ている状態なのがせめてもの救いだろう。
しかし、毎回思うがそのガッツポーズに何の意味があるのか教えてくれよ、瑠璃。
「え……あ、あれ? きゃあ、お兄ちゃんのえっちっ」「ぐはっ」
そしてお決まりの行動をして部屋を出て行く瑠璃はある事ない事を叫んでいた。しかし、毎回ピンポイントで急所を狙ってはずさないのかを教えてくれ。
「その内、使い物にならなくなりますね……。若いのに大変」
「う、うるせえよ……」
珊瑚の哀れみにも似た声を受けながら、俺は悶絶していた。
俺の朝って、なんでいつもこうなんだよ……。
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