幾つもの夜を越えた『逢瀬』

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「はぁ…今日も退屈だぁ……」 学校帰りのいつもの寄り道。 マックでポテトを食べながら頬杖をつき、秋空を眺める。 バニラシェイクをやる気なさそうな音を立て飲んでいる私、森中 千雪(もりなか ちゆき)は、東京生まれ東京育ちの十七歳。 私は、日々の退屈な生活に飽々している。 いつもと変わらない朝から学校、放課後にかけて、退屈で堪らない!! だからって合コンはつまらないし、恋愛をしようとも思わない。 もったいないと友達に言われることもある。 私は無自覚なんだけど、結構可愛いのだそうで…。 「そろそろ帰ろう…暗くなってきちゃった」 ダルそうに椅子から立ち上がりトレーを持って行く。 「ありがとうございまぁす」と言いながら店員さんがトレーを受け取ってくれた。もう既に顔見知りな店員さんだ。 暗い道っていうのはやっぱり苦手…女に生まれたからには仕方ないんだろうけど。 絡んでくる男の相手もウザくて仕方ない。 その時、頭上を何かが通った気がして見上げる。 「……鳥?違う、コウモリだ」 街で見るなんて初めてだ。 一体どこから来たんだろう…。 「なんか不吉な夜って感じぃ……」 嫌な気持ちを感じまくって、歩調が早くなっていく。 その時ふと感じた。背後からの気配……
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