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そう思って目をギュッと強く閉じた瞬間、化け物の一人の呻き声がした。
そろっと目を開けると、私と化け物の間には一人の影があった。
身長は一八○センチくらいで、黒いロングコートはふくらはぎのところまであり、白い髪は背中の真ん中辺りまである。
白い…と言っていいのか…それはいわゆる『白銀』という感じがした。
綺麗――そう感じるほどだったのだから。
その人の手には、キラリと銀色に輝く刀が握られていた。
「え…えっと……?」
何を話していいのか戸惑っていると、頭上で小さく溜め息が聞こえた。
「こいつら相手にあれだけ騒げる女がまだいるとは、思ってなかった」
「………はい?」
呆気に取られた私に今、この人は何て言った?
「俺はこいつらに用がある。女、邪魔にならない程度に動くな」
冷たい口調で淡々とそう私に指示したその人は、私に背を向けたままだった。その失礼さに少しカチンとくる。
気付けば、化け物たちの動揺っぷりは半端ない。
「その髪…っ」
「こいつ『ナイトハンター』……ッ!?」
どうやらこの人は、この化け物たちの間ではかなりの著名人のようだ、悪い意味での…。
「失せろ、雑魚」
そう言うなり『ナイトハンター』と言われているその人は、空高くジャンプして、降りてくるのと同時に刀を一気に化け物の一人に目がけ振り下ろす。
「ギャァァァァ!!」
化け物は綺麗なまでにまっ二つに裂け、叫び声をあげながら灰のように散っていった。
私はその光景を間の辺りにし、その場に腰を抜かしてしゃがみ込む。
なんなの…これ………!?
目の前では白銀の髪が風になびき、軽やかな身の動きに刀が伴って、あっという間に化け物を斬っていく。
どの化け物も、斬られればさっきと同様に灰になって消えていった。
私はただそれを、頭が真っ白のまま見ていることしか出来ない。
「おい」
声を掛けられ、ハッと我に返った私は、改めて『ナイトハンター』さんの顔を見る。
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