第二章~意識~

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平塚に着いて俺は座れる前の車両の方に歩いて行った、ふと前に目をやると美穂が歩いて来る、偶然だと思うが同じ電車だったんだ。 美穂も俺に気付く、何だか嬉しそうな顔をしていた、理由は知らないけど、俺にはそう見えた。 時間も無いし「また明日な」くらいしか言わなかったが美穂は笑顔で手を振って居た。 その笑顔に見とれて居た、今でも頭に浮ぶ。 9月のまだ少し暑いあの日、その笑顔が俺には眩し過ぎた。 振り返る美穂を、俺はただただ見ている事しか出来なかった。 いや、見ているだけでいぃと思っていた。 いつの間にか電車が来ていた、それに乗り地元へと帰って行った。 家族や他校の友達に修学旅行の話をしている内に美穂の笑顔の事など忘れていた、久々に会う友人達との会話が、その時一番に楽しかった。 また普通の授業がある面白くも無い学校生活が始まる。 登校中に美穂を見掛けたが俺は友人と居たから話し掛けなかった。 友人と話ながら歩いて居ると後ろから ???「鈴木君!!」 と呼ぶ声が聞こえた、でも鈴木など何処にでも居る、自分じゃないと思い構わず歩いた。 その時だ、肩を叩いて来る奴が居る、誰だ? 俺は振り返った、そこに居たのは美穂だ、俺に気付いて話し掛けてくれたらしい。 美穂は「おはよ鈴木君」 と眩しい笑顔で言った、俺はまた見とれてしまっていた。
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