1078人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
ユリはその日気分が激しく高揚していた。
普段は比較的冷静であまり騒ぐタイプではない。
全ての事柄には必ず理由がある。どっかの学者が書いてたっけ…
2時間前、16才のユリは街を友達とブラついて遊んでいた。
目的もなく、飾られたショーケースに友達とたわいもないお喋りしながら…
そんなユリに綺麗なお姉さんが声をかける。この街では道行く人に突然声をかけるなんて観光客以外はあまりない。
なので、想定外の言葉に冷静さを欠いてしまった。
『ねぇ!あなたみんなから可愛いって言われない?』
いきなりの台詞。
確かにユリはモテるタイプだった。だけど、特別スタイルが良いわけでも飛びきりオシャレなわけでもない。
でもみんなから可愛いなんてそんなに言われない。
都会と田舎での可愛いの使い方は違うと思っていた。
『はぁ?つか、あんた何?キモイんだけど?』
普通の今時の高校生ユリの友達が変わりに答えた。
この綺麗なお姉さんとの出逢いがユリを変えてゆく。
帰れない世界へ
欲望と嫉妬の世界へ
スカウト…………
ユリは踏み込む……
帰れない世界へ
芸能人になれる。
ユリが高揚した理由。
最初のコメントを投稿しよう!