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近くまで来て 改めて見ると 三、四歳の女の子が 階段に腰掛けて泣いていた ――― 「君 どうしたの?なんで泣いてるの? 迷子? それとも 誰かに叱られちゃったのかな? 私が苦手ながら一所懸命に声を掛けると 一瞬泣き止み ちらっと私を見てから またワッと泣き出した 「ごめんね お兄さん怖くないから ほら 泣かないでくれるかな… 私は自分を怖れて泣いているのかと思い 半分は後ろめたくて 必死に声を掛けた 「そんなんじゃ泣くに決まってるじゃあないか それに 端から見てると誘拐犯みたいだぜ 突然後ろから そう声を掛けられ 飛び上がる程驚いて 「いえっ! 違うんです! 僕 ここの二階に用があって訪ねて来たら この子が階段で泣いていて…… しどろもどろになりながら 振り返って声の主を見上げると―――
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